初日の老架二路。
例年ならば飛行機の関係で、老師が会場入りするまでの間に、私が準備体操のお兄さん役なのですが、
今回は老師も早めに会場入りをされ、私の出番はありませんでした。
講習を受けるメンバーは、マニア揃いのベースワン組と、都農町で陳式専門に研鑽を積んでいる明拳会のメンバーを主体とした人員構成。
この明拳会、平均年齢はけっこう高め(失礼)なれど、老架式の一路を中心に日々練習しており、ステップアップとして老架二路に昨年から取り組みはじめた会であります。
齢七十を越えられた会員も数名いるというのに、老架二路とは頭がさがります。
二路は別名「砲捶」と呼ばれ、連続して勁を爆発させる箇所を多く含む、外剛内柔の型です。
私自身、初めて老師から二路を習った時の、直前のドキドキ感と緊張と期待感は、今でも覚えています。これかあ、これが砲捶かあ…と感無量で学びました。
ところが途中からはキ、キツイ…。きゅ、休憩させてくれー。と心の中で悲鳴をあげてましたね。
さて、丁老師。若干年齢層の高いこの集団に、いかなる教授を行うのか? まさか我々が学んだ時のようなハードさはあるまいて…。と興味津々で講習開始です。
…甘かった。甘かったです。ブンブンうなりをあげて飛ばす飛ばす。発勁連発!震脚の連続。
Hさん曰く「ひえー、いつもの三倍の早さー!」に思わず吹き出してしまいました。
これまで段階を追って二路を教えて頂いてきましたが、どうやら今回は
最終形態の様子。妥協なしでした。
あの饒舌な土龍会のK会長が無口なまま。最後まで黙り込んだほどの難解さとハードさでした。
個人的には大収穫。さすがに震脚がひびいて足にきましたが、充実した練習が出来ました。
やはり砲捶。いいです。
最後に記念撮影。皆さんイイ顔をしてます。
老師を囲んで明拳会の精鋭達とベースワンチーム
この後は、温泉にてひとっ風呂浴びて、小休止。
合宿恒例の宴会へと続きます。
事務局のT氏によると、今回は料理も過去最高のものにしたとか。確かに地取れの海の幸は、非常にビールが進みました。
今話題のオリンピックの話で盛り上がり、テラス氏のKYなトンチンカンな質問にも老師は生真面目に答えてくれてました。
老師持参のデジカメで大陸の著名な老師の写真を拝見させて頂いたり、動画を見せて頂いたり、皆で有名老師の物真似をしたり、今NHKでW氏がやっている趣味講座について、各自無責任なツッコミを連発したりと楽しい時間を過ごせました。
ただし、最近の動画サイトの隆盛で、自分の知らない所で自分の映像が流れている事について、大変憤っており、多少神経質になっている様子でした。
二次会では、T氏の芋焼酎の正しい飲み方講義に、Hさんが捕まってしまい、餌食となってました。翌日のHさんの体調不良には、これが大きな要因となったとかならないとか…。
それを横目に私はひたすらオンザロックのバーボン。
まあ、明日も早いぞという所で二時には就寝。
二日目 新架一路。
全員で準備体操
昨年から講習メニューに加わった新架一路。
午前は第十式まで、午後は第三十式までを目安に進みます。
初心者の方々は午前中のみ、もっと進みたい方は午後も練習。
県外も含め、たくさんの方々が参加してくれました。
基本となる歩形の練習
この日に照準をあわせて、都合三回の予備練習会をしてきました。
それが役に立ったか立たないかはさておき、老若男女へだてなく、丁老師の動きを見逃すまいと、熱心に皆さん練習にあたっていました。
手の纏絲勁練習
老師の細かい注意や檄が飛びます。指摘された本人は固まってしまい、姿勢の修正もままなりません。そんな時はT氏や私が飛んでいって直します。
各自、直々に注意された箇所は、きっと今後も注意深くなるはず。それは大きなプラスでしょう。
熊本からは八名もの参加を頂きました。毎年熱心に参加されています。熊本においても丁老師の陳式が普及していく事を期待しています。
宮崎市から初参加された方から感想を聞きましたところ、まるで鋼鉄のバネが身体の中に入っているようだ。と答えていました。あと、怖かったとか、顔がちっちゃいとか(笑)。
足からの纏絲勁を説明する老師
午前の部の間、私とT氏はひたすら体力温存(?)。初心者の方の補助に徹しておりました。
密度の濃い午前の部が終わり、笑顔を取り戻す皆さん。
口々に「難しかったあ〜」と言ってます。私が「練習を続ければすぐ上手になれますよ」と答えると、また練習会をやってくださいねという有り難い言葉。そうですか。そうすか。やるとも。やらせて頂きますとも。普段はお教室で二十四式ばっかりやっている方々でも、こうやって体験してもらう事で興味が涌いてきたのなら、それは喜ばしい事。今後も是非陳式を続けてください。北でも南でも向かいますよ。お力になりまっせえ。
起勢を全員で
無我夢中で後を追う
細かい注意に聞き入る
六封四閉を全員で
鋭い檄を飛ばす老師
なるほど、ふんふんふん…。
そして午前の部の終了時に老師の表演。
今回学習した陳式新架一路を縮めて演武してくださりました。
静寂の体育館の中、重たい震脚が鳴り響きます。発勁時の衣擦れの音と鋭い呼吸音。見る度にパワーアップしていく老師でありました。
お昼を食べ、午後の部への鋭気を養います。
しかし、この時点で筋肉が悲鳴をあげ始めていました。お尻と脹脛(ふくらはぎ)あたりがヒクヒク。
こりゃいかん。休憩時間いっぱい使って安静にしておかねば。
と、熊本のビックママがビデオを手に近づいてくる。「撮影させて!」
え?…。
細かい部分がわからないから撮影モデルお願い。
なぜか昔からママには頭があがりません(笑)。
これも人助けと、ケツの痛みと闘いながら、つたない套路を演じさせていただきました。
私で申し訳ない! あんまり真似しないでね。と心で祈ります。
繰り返し動いてくれる老師
単鞭を繰り返す
このあと、老師と談笑中、私のデジカメをみて「たくさん写真撮れたの?」との問いに、
「はい、結構撮れましたよ。」と答えると、
また昨夜の神経質な表情になって、「インターネットに出さないでね。」と釘をさされました。
大丈夫です。充分にアングルに注意して撮影してます。まったく無断で老師のビデオをネットに投稿した奴のせいで、えらい迷惑です。
単鞭の注意点
更に単鞭を繰り返す
そろそろ疲れが…
そろそろ足が…
午後の部は、人数も半数に減り、ベテラン勢ばかりとなります。
内容も高度になり、ビシビシとキレる動きの連発です。
急速に体力ゲージがレッドゾーンにふれるのを自覚しつつ、それでも老師の一挙手一投足から目を離しません。
我ら、サポートという名の休憩…
こう動くのか! こう使うのか! こう打つのか!
次から次へと発見です。メモを取るのが間に合いません。自分でも読めないほどに字が乱れていました。
これまでに何十回・何百回と繰り返していた動きが、老師と一緒になって動くと、まったく新しい感覚を生み出してくれます。
それぞれが求める各レベルの答えを、身体を通して答えに導いてくれる。真剣に求めれば、必ず帰ってくる事に、いやはや脱帽でした。
教えを受け始めて、それなりに長い年月が経過しましたが、まだまだ未知の引き出しを沢山持っている老師。
いやいや、おもしろいです。これだからやめられませんな太極拳。
願わくば、まだ身体が充分に動くうちに新架二路に辿りつきたいものです。
そして、もっともっとこのおもしろさを共有できる仲間を増やしていきたいものです。
今回のレポート、これにておしまい。
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